監修
国立病院機構大阪医療センター 感染症内科 西田 恭治 先生A. 目に見えない関節内、筋肉内は中等症・軽症でも気づかないうちに出血していることがあります。
出血には「目に見える出血」だけでなく、関節や筋肉など、身体の中で起こる「目に見えない出血」があります。「目に見えない出血」は出血の徴候に気づけないこともあるので注意が必要です。
また、頭部の打撲などにより頭蓋内(ずがいない) 出血を起こすこともあります。
関節内出血
関節内出血は、ひざ、ひじ、足首などで起こりやすく、出血すると痛み、腫れ、熱感などの症状を生じます。
出血の前兆として、「むずむずする」など関節に違和感があらわれることがあります。
参考)血友病医療のガイドライン(世界血友病連盟)
筋肉内出血
筋肉をおおう筋膜と筋肉の間、または筋肉の中に出血します。身体を打ったり、足をくじいたりすることで起こります。
出血してできた血腫( けっしゅ)(血のかたまり)が筋肉を圧迫するため、痛み、腫れ、熱感、動かしづらさなどを感じることがあります。
STUDY NOTE
気をつけたい出血~腸腰筋出血~
腰の骨とふとももの骨の間に腸腰筋(ちょうようきん)と呼ばれる大きな筋肉があり、スポーツや無理な姿勢での運動が原因で出血することがあります。
腸腰筋の出血では、股関節〜下腹部の痛み、足を伸ばせないなどの症状や、出血付近にある神経を圧迫し、下肢に神経障害(知覚麻痺、しびれ)をきたす場合もあります。また筋肉が大きいため大量出血となる場合があります。
腸腰筋出血の徴候
- 股関節~下腹部の痛み
- 知覚麻痺、しびれ
- 太ももを伸ばせない
- 大量出血による貧血 など
確認してみましょう
出血かもしれないサイン(兆候)はどれでしょう?
- 痛い
- あつい
- しびれる
- かゆい
- 頭痛
- チクチクする
- ムズムズする
- ふらふらする
- だるい
- うずくような痛み
- なんとなくいつもと違う
答えがわからなかったり、正解を知りたいときは主治医の先生に聞いてみてください。