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家庭でできるエクササイズ

エクササイズを始める前に

  • エクササイズを始める前には必ず主治医に相談し、自分に合ったエクササイズと、それに必要な補充療法(輸注量や注射タイミング)を確認してください。
  • 関節に出血症状や痛みがある場合は、運動を避け、医師の指示に従ってください。
  • 体調が悪いときは無理をせず、休むようにしてください。
  • エクササイズを行って関節の状態がかえって悪化した場合は、継続を中止し、主治医の診察を受けるようにしてください。
  • 一度にたくさん回数を重ねるのではなく、少しずつでも「続けること」が大切です。

エクササイズを行う際の注意

  • エクササイズは、痛みを生じない、無理のない範囲で行うことが大切です。
  • 決められたとおりの補充療法(輸注量や注射タイミング)を守って行いましょう。
  • 運動に不慣れだったり関節症が進行している方は、まずは注射した日に行うようにしましょう。
  • 運動中に関節や筋肉に違和感や痛みがあらわれた場合は、無理せず中止しましょう。
  • 運動したあとは、足首・膝・股関節および肘の関節などの状態をセルフチェックしましょう。
    • 腫れはないか?
    • 痛みはないか?
    • 熱をもっていないか?
  • もし出血を疑う場合は補充療法を、熱感があれば冷やして安静にしてください。
  • 症状が改善しない場合は、早めに主治医に相談するようにしましょう。

動画監修

兵庫医科大学病院 リハビリテーション部 理学療法士 梶原 和久 先生 大野記念病院 リハビリテーション部 理学療法士 小原 滉平 先生
  • 第一段階 等尺性運動
    出血した後や関節に痛みのある方向け

    ①膝のマッスルセッティング

    関節を動かさずに、膝のまわりの筋肉を鍛える運動です。

    (動画:約2分)

  • 第二段階 自動運動
    出血の頻度が多い方や定期補充療法を行っていない方向け

    ②膝のばし足あげ運動

    膝関節に負担をかけずに、膝の周りの筋肉と歩行動作に大きく関与する腸腰筋と腹筋を鍛える運動です。

    (動画:約2分)

  • ③ブリッジ

    歩くときに体を支え、バランスを維持するおしりの筋肉を鍛える運動です。

    (動画:約2分)

  • 第三段階 抵抗運動
    中等症・軽症の方や定期補充療法を行っている方向け

    ④スクワット

    自分の体重を負荷にして、足全体の筋肉を鍛える運動です。股関節、膝、足首の関節をしっかりと動かします。

    (動画:約2分)

  • ⑤足を踏み出す運動

    歩くために必要な筋肉を鍛えることと、ふくらはぎの筋肉のストレッチを同時に行います。膝のまわりの筋肉も鍛えられるので、膝の関節内出血の予防にも最適です。

    (動画:約2分)

  • ⑥腕の曲げのばし運動

    水の入ったペットボトルを使って、簡単に腕の内側の筋肉と外側の筋肉を鍛えます。

    (動画:約2分)

エクササイズを行うことのメリット

血友病性関節症は肘・膝・足首に生じることが多く、これらの関節機能が障害されたり、周囲の筋力が低下すると日常生活が大きく制限されることになります。

エクササイズを日常的に継続して行うことで、関節機能の維持・改善や筋力を強化できます。筋力強化は関節機能をサポートするというメリットがあります。

運動を禁止・制限された経験がある方は、エクササイズを勧められても出血への恐怖心やできるかどうかの疑問を持つかもしれません。

しかし、血液凝固因子製剤が進歩した今、適切な補充療法によって血友病患者さんもより安全に運動ができるようになりました。

さらに、筋力がつき活動範囲が広がれば、肥満や生活習慣病の予防にもなり、生活の活性化は精神面にも好影響をもたらすことが期待できます。

適度なエクササイズを継続することにより、いくつになっても健康で自立した生活を送れるよう、できることから始めてみましょう。