監修
静岡県立こども病院 血液凝固科 小倉 妙美 先生適切な補充療法を行えば、お子さんには血友病でない人と同じような日常生活を送れる未来が待っています。
お子さんは、これから先ずっと、血友病とその治療とつき合っていくことになります。しかし、適切な補充療法を行えば出血とそれに伴う合併症を予防することができ、血友病ではない人とほとんど変わらない人生を送ることが可能です。
そのためには、正しい知識の習得と毎日の積み重ねが大切です。ご家族の不安や心配が軽減されれば、お子さんの行動や日常生活を過剰に制限することもなくなります。最初からすべてを理解することは難しいですが、大切なことからひとつずつ学んでいきましょう。
まず、始めに知っておいてほしいこと
血友病とは
血が止まりにくい病気です
血液を固める働きをする「血液凝固因子」が生まれつき不足しているため、出血したときに血が止まりにくい(血友病でない人と比べて時間がかかる)病気です。
「出血しやすい」病気というのは誤解で、理由なく出血するということはありません。
治療法
不足している因子を注射で補います
不足している「血液凝固因子」を注射で補います。これを「補充療法」といいます。
出血時補充療法 | 出血したときに注射する方法。 |
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予備的補充療法 | たくさん身体を動かす日にあらかじめ注射を打っておく方法。 |
定期補充療法 | 定期的に注射して出血を予防する方法。 |
生活
適切な補充療法で、血友病ではない人と変わらない生活、人生を送れます
多くの血友病の患者さんが、血友病ではないお子さんと同じように学校に通い、遊び、スポーツに取り組んでいます。適切な治療に取り組むこと、そして日常生活で少しの注意を守れば旅行にも行けますし、進学や就職も血友病を理由に諦める必要はありません。
血友病がお子さんの成長や発達に影響することもありません。