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血友病を知ろう血友病の症状

血友病では、どのような症状が出ますか?
身体のいろいろな部位から出血しやすく、とくに関節内・筋肉内の出血が多くなります。

血友病は全身のさまざまな部位で出血しやすくなりますが、血が流れるような「目に見える出血」よりも、青あざのような身体のなかで起こる「目に見えない出血(内出血)」が多いことが特徴です。
出血が起こりやすい部位は年齢とともに変化するものの、特に関節内、筋肉内は出血しやすく、また、頭部の打撲などにより頭蓋内(ずがいない)出血を起こすこともあるため、転びやすい小さな子どもでは注意が必要です。

起こりやすい出血

関節内出血

関節は、骨と骨との間を靱帯(じんたい)や筋肉がつなぎ、その内側を滑膜(かつまく)がおおっています。滑膜の内側は関節腔(かんせつくう)と呼ばれ、袋状になっています。関節内出血は、この関節腔に出血します。

関節腔への出血がほとんど

関節内出血は、ひざ、ひじ、足首などで起こりやすく、出血すると痛み、腫れ、熱感などの症状を生じます。出血の前兆として、「むずむずする」など関節に違和感があらわれることがあります。

出血部位と頻度

参考)血友病医療のガイドライン(世界血友病連盟)

筋肉内出血

筋肉をおおう筋膜と筋肉の間、または筋肉の中に出血します。身体を打ったり、足をくじいたりすることで起こります。

出血してできた血腫(けっしゅ)(血のかたまり)が筋肉を圧迫するため、痛み、腫れ、熱感、動かしづらさなどを感じることがあります。

筋肉内出血

その他の起こりうる出血

その他の起こりうる出血

年齢による出血部位の変化

血友病では、出血しやすい部位が年齢によって変化します。
赤ちゃんの頃は皮下出血や頭蓋内出血が多く、動きが激しくなるにつれて関節内や筋肉内の出血が増えてきます。

年齢別の出血好発部位

酒井道生, 臨床症状から診断にいたるまでのわかりやすい道筋, 石黒精, 他(編),
はじめての血友病診療実践マニュアル, 5, 2012, 診断と治療社 より改変