現在の血友病治療は「出血時に血を止める」だけでなく、出血を予防し、関節内出血によって生じる関節症などの合併症の発生や悪化を防ぐことを目指すものに変わってきました。 関節内出血の経験が少なければ少ないほど、関節症のリスクは少なくなります。治療法が大きく進歩した今、血友病のお子さんとそのご家族の生活の質を維持することも不可能ではなくなりました。
集団生活がスタートするこの時期は、家族以外のお友だちや先生と行動をともにすることで社会性が養われる大切な時期です。 一般に、血友病性関節症の進行やインヒビター ※がなく、家庭や医療施設で補充療法(特に定期補充療法)ができる場合には、血友病ではない子どもと、ほとんど同じ生活を送ることができます。
外遊びを避けて家でおとなしく過ごす必要はありません。修学旅行やキャンプに参加することも、スポーツに挑戦することもできます。 ただ、他の子と変わらない生活を送るためには、定期的に製剤を注射する「定期補充療法」をしっかりと実践する必要があります。
※身体の中で作られる、注射した凝固因子の働きを阻止する抗体のこと。インヒビターがあると欠乏している凝固因子の注射をしても十分な止血ができない。