MENU

ライフステージに応じた⾎友病のつきあい⽅自己注射を始めよう

監修

聖マリアンナ医科大学 小児科学 講師 長江千愛先生

自分で注射できると、世界が広がります!自己注射を始めることは大人になってからの自立を後押しします。

小学校の高学年になると、修学旅行やクラブの合宿、臨海・林間学校など、家を離れて外泊する行事があります。2~3日の予定でも、家を離れている間に注射が必要になるかもしれません。実際に、泊まりがけの学校行事をきっかけに自己注射に挑戦する子どもも少なくありません。

自己注射ができなくても、親や看護師が行事に同行して注射するという対応で乗り切ることはできます。けれども、修学旅行などの宿泊行事は子どもが親から自立する第一歩となる行事のため、親が一緒に行くのはできるだけ避けたいものです。

この先、中学生、高校生と思春期になるにつれて、親の言うとおりに注射されることを嫌がるようになったり、大学生や社会人になれば親元を離れて暮らすかもしれません。自己注射を始めることはお子さんの成長の過程での自立を後押しするものでもありますから、遅くとも中学生になるまでには挑戦したいものです。

自己注射の始め方

病院で医師や看護師から習う

病院で医師や看護師から習う

サマーキャンプに参加する

サマーキャンプに参加する

マニュアルや説明書も補助的な資料として参考になる

マニュアルや説明書も補助的な資料として参考になる

最初はなかなかうまくできなくても、自信をもってできるようになるまで何度でも練習できます。

注射が怖いのは当然。早い段階から心の準備をさせてあげましょう。

注射が怖いのは当然。早い段階から心の準備をさせてあげましょう。血友病のお子さんは、物心がついたころから注射を頑張っています。高学年になると、なぜ注射するのか、どんな手順で注射するのかを理解するようになります。それでも、怖いのは当然です。本人から「やる!」という言葉が出ても、いざとなると身体が固まったり、泣いてしまったりすることも少なくありません。

そんなときは無理に頑張ることはありません。焦りは禁物です。挑戦を始める1年くらいまえから、輸注記録に記入したり、注射の準備や片付けを自分でやったり、親に針を刺してもらったあとシリンジを自分で押したり、できることから挑戦して、気持ちを慣らしていくとよいと思います。早い段階から「いつか自分でできるといいね」と意識付けを繰り返して、心の準備をしておくことが大切です。

同じ血友病を抱えるお友だちが目標になることもあります。患者会などが開催するサマーキャンプで、お兄さんたちが自分で注射したり、練習したりするのを見て、やる気になった!というお子さんも多いようです。