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ライフステージに応じた⾎友病のつきあい⽅暮らしのヒント(歯の健康)

監修

兵庫医科大学病院 血液内科 德川 多津子 先生

歯の健康を守るために、ホームデンティスト(かかりつけ歯科医)の存在が欠かせません。

高齢期を健康に過ごすためには歯の健康がとても重要です。ところが、血友病患者さんは血友病ではない人よりも早く歯を失うことが多いといわれています。出血の心配や手首の痛みで歯みがきが不十分になったり、歯科の受診を避けたりする傾向があるからです。そしてその結果、虫歯や歯周病が重症化してしまうのです。しっかりとケアされた歯ぐきは、歯みがきで出血することはありません。できるだけ多く、長く自分の歯を残すためにも、歯科医と一緒にデンタルケアに取り組みましょう。

適切な歯科治療を受けるために、ぜひ、定期検診を受けるホームデンティストを決めてください。血友病について理解のあるホームデンティストがいれば、抜歯などの処置が必要になった場合にも安心です。

歯科医への病気の説明

血友病であることを告げたくない方もおられるかもしれません。しかし、安全に最善の治療を受けるためには、歯科医に対して自分の病気を説明しておくべきです。受診する前に一度血友病の主治医と相談しておきましょう。

血友病患者さんの治療経験のある歯科医
治療前に伝えておくべきこと
  1. 血友病の種類および重症度
  2. 現在治療を受けている病院や主治医の連絡先
  3. 血友病の治療状況(補充療法の種類、家庭療法実施の有無など)
  4. 歯科治療の経験(抜歯の経験と止血方法)
  5. 感染症の有無

加齢に伴う歯の変化とケア

歯数減少は、その多くが虫歯と歯周病に起因します。特に歯周病では歯を支える骨が消失し、歯を失う可能性が高くなります。歯を失うまでにも、歯肉炎や歯周病になると歯ぐきの炎症が起こり、歯みがきをしただけで出血したり、抜歯や出血を伴う歯科処置が必要になるなど、重症度が進むほど治療時の出血の可能性が高くなり、出血に対する対応や予防に気をつけなければならなくなります。

加齢に伴う歯の変化とケア

義歯について

失った歯を補う方法はいくつかあります。最近では、自分の歯に近い感覚を再現できるインプラントの人気が高まっていますが、手術による処置で治療中および治療後の重大な出血リスクを伴うため、慎重な検討が必要です。

特に出血を伴うような歯科治療の際には適切な補充療法を行う必要があります。必ず事前に主治医へ相談するようにしてください。