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ライフステージに応じた⾎友病のつきあい⽅関節評価とリハビリテーション

監修

聖マリアンナ医科大学病院 小児科 長江 千愛 先生
奈良県立医科大学附属病院 小児看護専門看護師 早川 友香 先生

好きなスポーツで最高のパフォーマンスを発揮するためには、良いコンディションをいかに保つかも大事。

出血が止まりにくいからといって、すべてのスポーツが禁止されているわけではありません。むしろ適した運動を通して筋力をつけることで、関節を保護して出血を減らすことができます。そのため最近では、多くの血友病患者さんが、血液凝固因子製剤による補充療法をきちんと行って、部活動やスポーツを楽しんでいます。

しかし、治療をおろそかにして出血したり関節の状態が悪くなってしまうと、スポーツも好きなこともできなくなってしまいます。いつも最高のパフォーマンスを発揮する「プロの選手」は、自分のコンディションチェックを欠かさないと思います。

やりたいことを実現するためにも、決められたとおり定期補充療法を行い、関節や筋肉に痛みや違和感があったら無理せず休むという判断も必要です。

出血経験がなくても、関節症の定期検診でコンディションチェック

血友病性の関節障害を見つけるためには、「継続的な観察」が不可欠です。定期的にレントゲンを撮っておけば、前回の検査時(あるいは関節内出血が起こる前)の関節と比較して、関節の状態の変化がわかります。またエコーやMRIは、早期の関節障害を見つけることができます。

良いコンディションを維持するためのリハビリテーション

リハビリテーションのイメージ 関節の出血後は、再出血や新たな関節内出血を心配しすぎるあまり、運動はもちろん日常生活の範囲の活動まで控えることがありますが、必要以上に安静を続けることは逆に関節の機能を低下させてしまいます。適切なリハビリテーションで関節を適度に動かしたり、周囲の筋力を強化したりすることは、関節内出血の予防にも、再出血や関節症の予防にも有用です。

主治医や整形外科の先生に言われたリハビリテーションを行うことは、普段スポーツをしていない人はもちろん、やりたいスポーツを続けるためにも必要なのです。