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血友病の治療について血友病患者さんの
医療費助成制度について

日本では、血友病治療の経済的負担を軽減するための医療費助成制度があり、制度を利用することによって自己負担額が実質無料になります。

図1

各制度を利用するには、窓口への申請が必要です。また、申請時期によっては治療開始時にさかのぼって制度が適用されないこともあるので、早めに主治医や医療ソーシャルワーカー(MSW)などに相談しましょう。

公的医療保険(健康保険制度)

日本では、国民皆保険制度により、全員がなんらかの健康保険に加入することが義務付けられており、職業や勤め先によって加入する健康保険が異なります。
加入者の年齢や所得に応じて、かかった医療費の7~9割が健康保険から支給され、残りの自己負担額を医療機関の窓口で支払います。

血友病の医療費助成制度

特定疾病療養

高額な治療費を継続して支払う必要がある疾患に対し、自己負担金を軽減する医療費助成制度です。
この制度を利用すると、血友病にかかる治療費の自己負担が1ヵ月1万円になります(入院時の食事療養費は助成されません)。

制度を利用するには、加入している健康保険に申請が必要です。

図2

年齢や利用できる医療機関に制限はありません。健康保険を変更した際、転居する際などには手続きが必要であるため、詳しくは健康保険窓口に確認しましょう。

小児慢性特定疾病医療費助成制度

20歳未満の患者さんが対象です。この制度を利用すると、特定疾病療養制度により月1万円になった自己負担額がさらに助成され、医療費の支払いが実質無料になります(入院時の食事療養費も助成されます)。

制度を利用するには、保護者の居住地の保健所に申請が必要です(18歳以上では新規の申請ができません)。

図3

この制度は、指定医療機関でしか利用することができません。また、健康保険を変更した際、転居する際などは手続きが必要であるため、詳しくは各自治体に確認しましょう。

注意

受給者証には有効期限があります。忘れずに継続手続きを行いましょう。

先天性血液凝固因子障害等治療研究事業

20歳以上の患者さんが対象です。この制度を利用すると、血友病治療の保険診療にかかる自己負担額が無料になります(入院時の食事療養費も助成されますが、治療用装具は対象外です)。

制度を利用するには、患者さん本人の居住地の保健所に申請が必要です。

図4

この制度は、各都道府県と委託契約を結び、かつ利用者が申請時に登録した医療機関でしか利用することができません。また、健康保険を変更した際、転居する際などは手続きが必要であるため、詳しくは各自治体に確認しましょう。

※やむを得ない事情などにより、受給者証に記載されていない医療機関で受療した場合、申請者が都道府県に直接請求することで払い戻しを受けられます。

注意

受給者証には有効期限があります。忘れずに継続手続きを行いましょう。

その他

「小児慢性特定疾患児日常生活用具給付事業」
20歳未満で、「小児慢性特定疾病医療受給者証」を持っていると、購入した治療用装具が給付対象に該当する場合、本制度が適用され、自己負担分の還付を受けることができます。詳しくは、保護者の居住地の保健所で確認しましょう。

参考)はじめての血友病診療実践マニュアル(診断と治療社)