あなたは、CSLベーリングの医薬品を使用されている、あるいは使用される予定の患者さん、またはそのご家族の方ですか?
血液凝固第VIII因子を、血液の中に長くとどめ、より長く効果を発揮できるように改良したお薬で、単鎖血液凝固第VIII因子製剤と呼ばれています。
さらに止血作用に必要なフォン・ヴィレブランド因子と結びつく力が強く、離れにくい特徴もあり、より長く血液中にとどまることができます。
もともと血液凝固第VIII因子は、出血している場所で形が変化して出血を止めます。エイフスチラも、出血している場所に到達すると血液の中にある通常の血液凝固第VIII因子と同じ形に変化して同様の止血効果を発揮します。
エイフスチラは、「出血時の投与」、「手術・処置前の投与」、「定期的な投与」のいずれにも使うことができます。投与の際は、決められた量のエイフスチラを添付の溶解液全量で溶解し、緩徐に静脈内に注射します。なお、どのような目的で使用するかによって投与量や投与回数が異なりますので、必ず医師の指示に従ってください。
医療機関で在宅自己注射教育を受け、医師から適切に使用できると判断された患者さんまたはご家族の方は、投与を家庭で行うことができます。希望する場合は医師に相談してください。
エイフスチラを定期的に投与する場合、患者さんの血友病の重症度(重症・中等症・軽症)、関節の状態、出血頻度、職種、活動量などに合わせて、注射の投与間隔を週に2回あるいは週に3回のいずれかから選ぶことができます。ご自身に合った投与間隔の選択を医師と相談して決めましょう。
また、通常は週に2回の投与であっても出張や活動量が増加する場合は週に3回の投与に増やすこともできます。
溶解前のエイフスチラは、白色~微黄色の製剤です。エイフスチラを添付の溶解液で溶解すると、無色透明~わずかに乳白色の液になります。
まずCHO細胞※1を用いた遺伝子組換え技術によって、たんぱく質(単鎖第VIII因子)を作り出す細胞を作成します。そして、その細胞から大量に作られたたんぱく質から、不純物やウイルスを不活化・除去するために、いくつもの工程を経てエイフスチラが製剤化されます。一連の製造工程において、ウイルス感染の原因と考えられるヒトや動物由来の成分は使用されていません。
CHO細胞とは、チャイニーズハムスターの卵巣細胞のことです。1980年代から現在まで、遺伝子組換え医薬品の製造に用いられている細胞の1つで、その安全性が確認されています。
患者さんによっては、投与された血液凝固因子を異物とみなして凝固因子の働きを阻害する抗体が作られることがあり、この抗体をインヒビターといいます。インヒビターが発現すると、血液凝固因子製剤の効果が弱くなります。
症状が重篤と判断した場合は、夜間・休日であってもすぐに医師、看護師または薬剤師に連絡してください。
今までに他の第VIII因子製剤を回数多く使用した患者さんがエイフスチラへ切り替えた場合にはインヒビターの発現は報告されていません。ただし継続試験において、エイフスチラを第VIII因子製剤として初めて使用した患者さんではインヒビターの発現が報告されています。
一般に、インヒビターは、血液凝固第VIII因子製剤を使用してまもない時期に発現しやすいとされています。
エイフスチラを持ち運ぶときは、冷蔵の状態と同じく2~8℃を保つよう、保冷剤と一緒に保冷バッグに入れ、遮光して持ち運びます。高温になりやすい場所では温度管理に注意し、保冷剤の量を調整してください。
エイフスチラの自己注射を行ったあとは、輸注状況や出血の状況を必ず投与記録表へ記入し、必ず次回の通院時に担当の医師、看護師または薬剤師にみせましょう。また、血友病の担当医以外を受診する場合や、薬局などで他の薬を購入する場合は、必ずこの薬を使用していることを医師、看護師または薬剤師に伝えてください。
エイフスチラは「血液製剤代替医薬品」であるため、投与した日から
少なくとも20年間、以下の情報が医療機関で保存されます。
輸注や出血に関する記録を記入することのできる様々な種類の輸注記録表があります。
CSLベーリングからはスマホアプリ「ユチュウ部マネージャー」を提供しています。輸注・出血記録はもちろん、次回輸注日が分かりやすく表示されたり、活動量や関節違和感の活動記録もでき、担当先生宛てにメールを送ることも可能です。