駆血帯は強くしめすぎないでください。
あなたは、CSLベーリングの医薬品を使用されている、あるいは使用される予定の患者さん、またはそのご家族の方ですか?
監修:
東京医科大学 臨床検査医学分野 教授
天野景裕 先生
イデルビオンマニュアル
すべて未開封のものを用意します。
薬剤バイアル
溶解液バイアル
スリートック通気孔タイプ
青色側:溶解液バイアルに穿刺する部分
透明側:薬剤バイアルに穿刺する部分
(包装されている状態)
以下の場合は使用しないでください。
滅菌済み翼状針アルコール綿空の滅菌済み注射器廃棄用ポリ袋
※使用する注射器の大きさは、投与量によって異なります。
溶解操作の前に必ず行ってください
①作業する場所を確保し、
清潔にします。
50センチ四方以上の広さがあり、
明るく平らな場所を確保します。
②手を石けんで
しっかり洗います。
指と指の間や爪の周囲、手の甲
もしっかり洗います。
薬剤バイアルと溶解液バイアルのキャップを外し、ゴム栓をアルコール綿で拭きます。
注意
ゴム栓をアルコール綿で
拭いたあとは、さわらないで
ください。
スリートックのふたのみをはがします。この時、機器を取り出さず、接続部分にも触れないでください。
キャップが青色の溶解液バイアルを手元に用意します。
スリートックを包装容器ごと持ち、青色の穿刺部を溶解液バイアルのゴム栓の中心にまっすぐ下向きに刺し込みます(α)。
包装容器のみをスリートックから慎重に外します(b)。
溶解液バイアルを逆さまにし、バイアル全体をしっかりと握り、スリートックの透明な穿刺部を、薬剤バイアルのゴム栓の中心にまっすぐ下向きに、一気に刺し込みます。
注意
スリートックの穿刺部が、
バイアルのゴム栓に斜めに
刺さらないように、まっす
ぐ刺してください。
水平な台の上で
操作をおこなっ
てください。
薬剤バイアルをゆるやかに、小さく円を描くように回し(激しく回さない)、完全に薬剤を溶かします。この時、薬液の色は無色~わずかに乳白色に変わります。
スリートック側面のシールをはがします。
スリートックの青色側の部分を反時計回りに回して2つに分けます。
注射器に空気が入っていないことを確認し、薬剤バイアルが直立した状態で注射器をスリートックのルアーロック部※に時計回りに回しながら取りつけます。
注射器はルアーロック部にしっかりねじ込みますが、必要以上に回しすぎないようにしましょう。
注射器のプランジャーロッドを押して、薬剤バイアルの中に空気を注入します。
薬剤バイアルを上にして、接続したシリンジのプランジャーロッドをゆっくり引き、薬液を注射器の中に移行します(α)。ゴム栓には広い溝と狭い溝があります(b)。
ゴム栓の広い溝が下になるように傾けると薬液をしっかりと注射器の中に移行できます。
注意
薬液を注射器に移行した後
は、薬剤が泡立つためプラ
ンジャーロッドを押して薬
液をバイアルに戻さないで
ください。
薬液を注射器の中に移行し終えたら、注射器を下にしたまま、スリートックを反時計回りに回して注射器から外します。
注意
注射器の先端をさわらない
でください。
翼状針の接続部分が袋の切り口近くにくるように翼状針の袋を開け(α)、薬液を移行した注射器を翼状針の接続部分に差し込み、注射器を時計回りに回して取り付けます(b)。
注意
翼状針の接続部分をさわらないで
ください。
注射器のプランジャーロッドを少し押して、薬液を針先まで満たします。
溶解したイデルビオンは25℃以下で保存し、4時間以内に使ってください。4時間を過ぎたものは使わないでください。
※複数の薬剤バイアルを使用する場合は、下記を参照してください。
〜の操作に従い、必要な本数の薬剤バイアルを用意します。
毎回新しいスリートックを使います。
〜の操作に従い、1本目の薬剤バイアルから薬液を注射器の中に移行します。
移行したら、スリートックを注射器から外します。
注射器を上に向けたまま、2本目のバイアルを取り付けます。
プランジャーロッドをゆっくりと引いて薬液を注射器の中に移行します。
移行したら、スリートックを注射器から外します。
3本以上必要な場合は、C、Dの操作を繰り返します。
注射器を翼状針の接続部分に差し込み、プランジャーロッドを少し押して、薬液を針先まで満たします。
監修:東京医科大学 臨床検査医学分野 教授 天野景裕 先生
監修:
東京医科大学 臨床検査医学分野 教授
天野景裕 先生
イデルビオンマニュアル
投与(注射)の前に
必ず行ってください
①投与する場所を確保し、
清潔にします。
50センチ四方以上の広さがあり、
明るく平らな場所を確保します。
②手を石けんで
しっかり洗います。
指と指の間や爪の周囲、手の甲も
しっかり洗います。
イデルビオンは、「イデルビオンマニュアル~溶解操作編~」に従い、添付の溶解液で溶解した後、注射器に移し、翼状針を取り付けます。
駆血帯絆創膏アルコール綿秒針付き時計
廃棄用ポリ袋翼状針固定用テープ投与記録表
※必要に応じてタオルを準備します。
(手やひじをタオルにのせることで、注射しやすくなる場合もあります。)
駆血帯をしめる
通常、手の甲、またはひじの内側の血管に注射します。注射部位よりも10cmほど心臓寄りの部位に駆血帯を巻き付け、しめます。
駆血帯は強くしめすぎないでください。
注射部位を消毒する
血管が浮き出てくるので、注射部位の皮膚をアルコール綿で拭いて消毒します。
翼状針を持つ
翼状針の針穴が上にくるようにして、翼のざらざらした面が外側にくるように持ち、針のキャップを外します。
血管に針を刺す
血管の走っている向きに合わせ約20°の角度で針を刺します。
血管に入ったら、針を少し倒してさらに進めます。
血液の逆流を確認する
血管に針が入っていれば、注射器のプランジャーロッドを少し引くと血液が逆流してきます。
逆流が確認できないとき
「こんなとき、駆血帯を外す
駆血帯を外します。
薬液を注入する
注射器を持ち、ゆっくりと薬液を注入します。
投与速度は、医師と相談して決めた速度を守りましょう。
抵抗を感じたり、痛みや腫れがある場合 「こんなとき、どうする!?」参照
投与終了後、針を抜く
薬液をすべて注入したら、注射器を台の上に置きます。
アルコール綿を針の上にのせ、針を抜きます。
止血する
完全に止血するまで(3〜5分)、アルコール綿で注射部位を押さえたままにします。
止血を確認し、絆創膏を貼ります。
投与の記録を書く
投与日時、使用した薬剤のロット番号、投与量、注射部位等、必要事項を投与記録表に記録します。
こんなとき、どうする!?
針を刺しているのに、
血液の逆流が確認できない
A
針が血管内にきちんと入っていない可能性があります。
薬液の注入に
抵抗を感じる
A
B
血管内に入った針が押し出され、血管の外に出てしまった、
または血液がかたまって針が詰まってしまった可能性があります。
投与中に、注射部位が痛む、
または腫れてきた
C
薬液が血管の外に漏れている可能性があります。
皮膚から針を抜かずに、
針先の角度をやや深くします。
針の角度を最初のときよりも
やや深くし、逆流を確認できたら、
針を倒してさらに進めます。
一度針を抜き、止血します。
注射器のプランジャーロッドを
少し押し、針先から薬液が
スムーズに出るかを確認します。
針を刺している部位が腫れてきた場合
このほか投与に関するトラブルが生じた場合は、
ただちに医師または看護師に相談してください。
監修:東京医科大学 臨床検査医学分野 教授 天野景裕 先生