監修
久留米大学医学部 小児科学教室 松尾 陽子 先生結婚相手やその家族に保因者であることを伝えますか?
保因者にとって大変大きな悩みです。パートナーやその家族に伝えるかどうか、いつ伝えるかについては、保因者自身の考え方やパートナーと家族の関係性によってさまざまです。
まずは、保因者健診などの機会に医療者に相談してみてください。血友病を専門とする医療者でも、どうするのが正解なのかはわかりませんが、一緒に悩み、考えてくれるはずです。
パートナーに話したいと思ったときに、一緒に保因者健診に行くのもよいかもしれません。
これからの人生を共に過ごし、また今後血友病のお子さんを一緒に育てていく可能性もありますから、よく考え、困ったときには医療者に相談するなどして判断してほしいと思います。
保因者でも、凝固因子製剤を投与することはあるのですか?
保因者でも軽症あるいは中等症の血友病に相当するほど凝固因子活性が低い方では、出血に対して凝固因子製剤の投与を必要とすることもあります。また、手術や出産の際には予防的に凝固因子製剤を投与することもあります。保因者健診でご自身の凝固因子活性を把握するとともに、凝固因子製剤の詳しい説明を受け、ご自身に必要かどうかを血友病専門医に聞いておくことをお勧めします。
保因者に関する情報はどこで入手できますか?
保因者に関する情報をもっと知りたい場合は、WFH(世界血友病連盟)の日本語版Webサイトから「血友病保因者と女性血友病」というガイドブックをダウンロードできます。また、カナダ血友病協会が制作した「私と私の遺伝子〜若い血友病キャリアの皆さんへ〜」というわかりやすく親しみやすい動画の日本語版が患者会の「ヘモフィリアねっと」というWebサイトに掲載されていますので、参考にしてみてください。