どんなひとが血友病になりますか?
ほとんどが男性で、血友病に関連する遺伝子をもつひとが発症します。
血友病は遺伝子が関わる生まれつきの病気で、患者さんのほとんどが男性です。
昔から「王家の病気」ともいわれ、英国ヴィクトリア女王にはじまるヨーロッパ王族の血友病は歴史的にも有名です。
なぜ男性が多いのか
髪色がお母さんと同じ、鼻の形がお父さんとそっくり…など、ひとの遺伝を決めているのが「遺伝子」です。身体の中でタンパク質をつくるとき、「遺伝子」がどんなものをどれだけつくるのか指令を出しています。
遺伝子は細胞の中で「染色体(せんしょくたい)」という形で存在し、ひとは23組46本の「染色体」をもっています。赤ちゃんは、父親、母親からそれぞれ23本の染色体を受け継いで生まれてきます。
ひとの性別は、X(エックス)とY(ワイ)という染色体の組み合わせで決まり、XYであれば男性、XXであれば女性になります。
血液凝固因子の第Ⅷ(はち)因子と第Ⅸ(きゅう)因子をつくるよう指令を出す遺伝子は、X染色体上にありますが、この遺伝子に「変異」があると指令を出せず、第Ⅷ因子や第Ⅸ因子がうまくつくれなくなります。これが血友病です。
たとえば母親から遺伝子変異のあるX染色体をもらった場合、女性は父親からのX染色体もあるため、通常は血友病を発症しませんが、男性はX染色体が1つしかないため、血友病を発症します。
2つあるX染色体のうち、1つだけ変異がある場合を「保因者」といいます。
血友病患者さんの多くは「保因者である母親」から生まれてきますが、遺伝子の変異は突然起こるため、保因者でない母親から生まれることもあります。