血友病の症状が進行するとどうなりますか?
出血を繰り返すことで、関節症などの障害があらわれることがあります。
同じ場所での出血を繰り返したり、出血が長引いたりすることで、その部位に障害があらわれることがあります。
特に起こりやすいのが「血友病性(けつゆうびょうせい)関節症(かんせつしょう)」です。
血友病性関節症
関節内出血を繰り返すと、本来はなめらかであるはずの関節滑膜(かつまく)の滑りがだんだん悪くなります。それに伴って関節の動きも悪くなり、関節を曲げにくい・伸ばしにくい状態になることがあります。
さらに進行すると、関節が破壊されて変形し、軟骨どうしがぶつかって強い痛みを生じる、関節の動く範囲が狭くなり(拘縮(こうしゅく))、最後には関節が動かなくなること(強直(きょうちょく))もあります。
関節内出血を繰り返すと、下の図のような悪循環に陥り、加齢とともに血友病性関節症を発症しやすくなります。
参考)瀧正志ほか: 血友病Aにおける下肢の左右不均衝―その原因と対策―第27回日本臨床血液学会(抄録), 1985.
これを予防するには、関節内出血を起こさないための治療や、出血したらできる限り早く止めるための対処が重要になります。