監修
静岡県立こども病院 血液凝固科 小倉 妙美 先生血を止めるのに必要な血液凝固因子製剤の種類や投与量は人によって異なります。
血友病には2種類あり、補充療法は、血友病Aでは第Ⅷ因子製剤、血友病Bでは第Ⅸ因子製剤を使用します。血を止めるのに必要な血液凝固因子製剤の投与量は、お子さんの体重、出血部位や出血量のほか、お子さんの血液凝固因子活性レベル(因子の働きの強さ)と使用する製剤によって異なります。
適切な対処法を行うためには、お子さんの病気が血友病の中でもどんな種類でどれぐらい血が止まりにくいのか(重症度)を知っておくことも大切です。
血が止まる仕組み
正常な場合
すみやかに血が止まる
「血管」「血小板」「血液凝固因子」が働いて血を止める。血液凝固因子は連動して働き、フィブリンをつくる。フィブリンが網を張って頑丈な止血栓になる
血友病の場合
血が止まるまでに時間がかかる
血液凝固因子のうち第Ⅷ(はち)因子(血友病A)もしくは第Ⅸ(きゅう)因子(血友病B)が不足または欠乏しているため、フィブリンがつくられず、頑丈な止血栓ができない
血液凝固因子の活性と重症度
血友病は、血液凝固因子の活性値(血友病ではない人の平均的な因子量と比べた割合)によって、重症、中等症、軽症に分類されます。重症度は出血回数や出血の程度を予測するのに役立ちます。
参考) インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン: 2013 年改訂版(日本血栓止血学会)