血友病ライフのキーワードからQ&Aを探す

医療費を助成する制度

監修
国立病院機構大阪医療センター 医療相談室 岡本 学 先生

血友病治療の医療費助成制度

血友病患者さんの医療費助成について

日本では、血友病治療の経済的負担を軽減するための医療費助成制度があります。
制度を組み合わせて利用することによって自己負担額は実質無料になります。

医療費 グラフ

公的医療保険(健康保険)

日本では、国民皆保険制度により、全員がなんらかの健康保険に加入することが義務付けられており、医療費助成制度は、健康保険に加入してないと利用できません。
健康保険の種類は職業や勤め先によって分かれており、手続きの窓口は加入している健康保険によって異なります。

公的医療保険(健康保険)の種類

医療保険の種類 表1

特定疾病療養

高額な治療費を継続して支払う必要がある疾患に対し、自己負担金を軽減する医療費助成制度で、加入している健康保険から給付されます。
この制度を利用すると、血友病にかかる治療費の自己負担が1ヵ月1万円になります(入院時の食事療養費は助成されません)。

手続き窓口 加入している健康保険の窓口
対象 血友病A・B
血液凝固因子製剤投与に起因するHIV感染
対象年齢 年齢制限なし
助成内容 所得に関係なく自己負担限度額が月1万円(1つの医療機関ごと)
助成対象となる費用 血友病および血友病に起因する疾患の医療費(同月内に受診した複数の医療機関の診療費、薬剤費、訪問看護ステーションが行う訪問看護の費用)
<以下は対象外>
  • 受給証に記載された病名以外の病気やけがによる医療費
  • 入院中の食事療養費、差額ベッド代、文書料、おむつ代など保険診療の対象とならないもの
  • 介護保険でサービスを受けた時の費用
助成開始日 申請月の1日※1
更新時期 加入している健康保険に変更がない限り更新手続き不要※2
  1. 受診当日に未手続であっても同月内に申請を行えば1日に遡って助成される
  2. 健康保険が変わったり、住所変更した際には変更手続きが必要

利用方法

加入している健康保険の窓口に「特定疾病療養受療証」の交付を申請します。交付された受療証を医療機関の窓口に提示することで、助成が受けられます。

図 利用方法

申請に必要な書類

申請書、保険証、意見書(保険により書式異なる)など

自治体や健康保険組合などにより申請に必要な書類が異なるため、窓口で確認してください。

小児慢性特定疾病医療費助成制度

長期的な治療が必要な特定の慢性疾患にかかっている児童について、家庭での医療費負担を軽減する制度です。
この制度を利用すると、特定疾病療養制度により月1万円になった自己負担額がさらに助成され、医療費の支払いが実質無料になります(入院時の食事療養費も助成されます)。

手続き窓口 保護者の居住地の保健所
対象 血友病などの先天性血液凝固因子欠乏症で受診する医療機関が都道府県の指定を受けている児童※1
対象年齢 18歳未満(20歳まで延長可)※2
助成内容 所得に関係なく自己負担なし
助成対象となる費用 申請時に登録した医療機関における血友病などの先天性血液凝固因子欠乏症にかかる医療費(診療費、入院時の食事療養費、薬剤費、訪問看護ステーションが行う訪問看護の費用)
<以下は対象外>
  • 受給証に記載された病名以外の病気やけがによる医療費
  • 入院中の食事療養費を除く、差額ベッド代、文書料、おむつ代など保険診療の対象とならないもの
  • 利用者が申請時に登録した医療機関以外でかかった医療費
  • 治療用装具の費用
助成開始日 申請日※3
更新時期 1年毎に更新手続きが必要※4
  1. 利用者が申請時に登録した医療機関でのみ利用できる
  2. 18歳以上では新規の申請不可
    20歳の誕生日を迎えた日から受給資格を失うので、先天性血液凝固因子障害等治療研究事業への切り替え手続きが必要
    18歳以上で新規の場合は、先天性血液凝固因子障害等治療研究事業を申請します。
  3. 受診当日に未手続の場合、遡って助成されない
  4. 医療機関が変わる際や、健康保険が変わったり、住所変更した際には変更手続きが必要

利用方法

保護者がお住まいの地域の保健所に「小児慢性特定疾患医療受給者証」の交付を申請します。交付された受診券を医療機関の窓口に提示することで、助成が受けられます。

図 利用方法

申請に必要な書類

特定疾病療養受療証、保険証、住民票、印鑑、意見書(小児慢性特定疾患センターwebサイトよりダウンロードできる)など

自治体や患者さんの状況により、他に書類が必要になることもあるので詳しくは窓口で確認してください。

先天性血液凝固因子障害等治療研究事業

血友病にかかる治療費を治療研究事業として公費負担することで、医療の確立と普及を促進するとともに、医療費の自己負担軽減を図る制度です。この制度を利用すると、特定疾病療養制度により月1万円になった自己負担額がさらに助成され、医療費の支払いが実質無料になります(入院時の食事療養費も助成されます)。

手続き窓口 患者本人の居住地の保健所
対象 血友病などの先天性血液凝固因子欠乏症および血液凝固因子製剤投与に起因するHIV感染で、受診する医療機関が都道府県の指定を受けている方※1
対象年齢 20歳以上
助成内容 所得に関係なく自己負担なし
助成対象となる費用 申請時に登録した医療機関における血友病などの先天性血液凝固因子欠乏症および血液凝固因子製剤投与に起因するHIV感染にかかる医療費(診療費、入院時の食事療養費、薬剤費、訪問看護ステーションが行う訪問看護の費用)
<以下は対象外>
  • 受給者証に記載された病名以外の病気やけがによる医療費
  • 入院中の食事療養費を覗く、差額ベッド代、文書料、おむつ代など保険診療の対象とならないもの
  • 利用者が申請時に登録した医療機関以外でかかった医療費
  • 治療用装具の費用
助成開始日 申請日※2
更新時期 1年毎に更新手続きが必要※3
  1. 利用者が申請時に登録した医療機関でのみ利用できる
  2. 受診当日に未手続の場合、遡って助成されないため、20歳の誕生日を迎えるまでに申請が必要
  3. 医療機関が変わる際や、健康保険が変わったり、住所変更した際には変更手続きが必要

利用方法

お住いの地域の保健所に「先天性血液凝固因子障害等医療受給者証」の交付を申請します。交付された受診券を医療機関の窓口に提示することで、助成が受けられます。

図 利用方法

申請に必要な書類

特定疾病療養受療証、保険証、住民票、印鑑、診断書(自治体により書式異なる)など
※小児慢性特定疾病医療費助成からの切替え時には、小児慢性特定疾患受給者証が必要です

自治体や患者さんの状況により、他に書類が必要になることもあるので詳しくは窓口で確認してください。

小児慢性特定疾患児日常生活用具給付事業

小児慢性特定疾病医療費助成制度の認定を受けた児童のうち、日常生活を送るのに大きな支障のある児童に対して、日常生活用具を給付する制度です。
購入した治療用装具が給付対象に該当する場合、自己負担分の還付を受けることができます。

手続き窓口 お住いの地域の保健所や保険センター
対象
  • 20歳未満
  • 「小児慢性特定疾病医療受給者証」を持っている
  • 在宅で日常生活を送るのに支障があって日常生活用具給付を必要としている
    (自治体によって保護者や世帯全体の収入に応じて所得制限があり)
申請時期 購入前の事前申請のみ
助成対象となる費用 手すり、スロープ、歩行器等の歩行支援用具や車いす、転倒の衝撃から頭部を保護する頭部保護帽(ヘッドギア)などがある
(給付対象となる用具の種目や限度額などは自治体によって異なる)
<以下は対象外>
他の制度などで同様の用具給付制度の対象となっている場合

利用方法

用具の見積書を添えて、お住いの地域の保健所や保険センターに日常生活用具給付を申請します。自治体から発行された給付券を利用して用具を購入します。

図 利用方法

その他の補装具/日常生活用具給付事業

補装具や日常生活用具を必要とした場合、障害福祉サービスの「補装具費の支給」や「日常生活用具の給付」を受けられることがあります。また、65歳以上で要介護認定を受けていれば、介護保険を利用して福祉用具の購入や貸与を受けることもできます。

福祉用具を手に入れる方法(車いすの例)

福祉用具を手に入れる方法(車いすの例)

福祉用具を手に入れるための制度や自己負担の例

福祉用具を手に入れるための制度や自己負担の例

(2018年9月時点)

参考)みんなに役立つ血友病の基礎と臨床 改訂3版(医薬ジャーナル社)
医療福祉総合ガイドブック 2018年度版(医学書院)

医療福祉制度について
PAGE TOP