小さい頃から注射を打っていたため、
それが普通だと思っていました。
大学4年生の患者さんご本人・男性・血友病A
親から病気のことを言われたかはよく覚えていないのですが、病院に頻繁に通っていたのでそれでわかっていました。自分で理解するようになったのは、小学校2、3年生くらいの時です。小さい頃からずっと注射を打っていたので、それが普通なのだと思っていました。
小さい頃は受け入れられず、親にあたってしまったことも。
33歳の患者さんご本人・男性・血友病B・重症
理解したのは4歳くらいの頃。怪我の治りが遅かったり、頭を怪我しないようにヘルメットをかぶっていました。親からは「血が止まりにくい病気だから、怪我したら教えて。病院に行かないといけないから」と言われていました。
好きだった野球が思う存分できなかったこともあり、子どもの頃は病気を受け入れられず、イライラして親にあたってしまうこともありました。
ただ、歳を重ねるにつれ客観的にみられるようになりました。昔はもっと治療が大変な病気だったし、血友病以外にも大変な病気はあるし。昔の自分に比べたらはるかに受け入れられていると思います。
ある程度覚悟していたものの、この先どうなるの
だろうという葛藤がありました。
中学3年生の患者さんの保護者・女性
0歳6ヵ月の時、あざの下にしこりがあることを発見。私に家族歴があったので、近くの内科から地域中核病院の血液科を紹介してもらい、すぐに診断に至りました。専門医から、現在の血友病がどんな薬を用いて治療しているかといった説明がしっかりありました。
病気のことは覚悟していたものの、この先どう育っていくかイメージが湧きづらく、ネガティブな葛藤がありました。ただ、病院のサポートはとても手厚かったので、その意味では助けられました。
その後、1歳3ヵ月でインヒビターが出現。入院生活を一緒にする必要があったので、体力的にとてもしんどかったことを覚えています。
兄も同じ病気だったので、
「なんで自分だけ」とはあまり思わなかった。
大学2年生の患者さんご本人・男性・血友病A
両親から病気の説明があったかどうかは、あまり覚えていません。幼稚園の年長くらいから患者会のイベントに参加して、血友病の絵本や動画を見せてもらいました。ぼんやりと自覚し始めたのがだいたい小学校低学年かなと思います。
自分の場合、兄が同じ病気で注射を打つ生活をしていたので、「なんで自分だけ」という気持ちは少なかった気がします。もちろんネガティブになっていた時期もありますが、兄より注射を打つのが上手くなってやろう、みたいに考えて前向きでいられました。近くにいる兄の存在はやはり大きかったです。
注射は嫌でも、「なんで僕だけ?」とは
感じなかったです。
35歳の患者さんご本人・男性・血友病A・重症
幼稚園の頃から、「走ったり、ジャンプしたり、サッカーしたりしないでね」と親から言われていました。でも、あまり気にせず、守っていませんでしたね。注射を打たないと足が痛くなって歩けなくなるということは聞かされていました。
注射は嫌だったんですが、病気について「なんで僕が?」とか、そんな風には感じなかったです。たとえば周りがサッカーをしていて自分はできないと思っても、当時はなんとかできるんじゃないかって思っていました。基本的に病気も自分の一部だって考えていて、今でも個性のひとつというか、一緒に生きているっていう感覚です。
覚悟はしていたけれどショック。
医師にいろいろアドバイスを求めました。
小学2年生の患者さん(長男・7歳)の保護者・女性40代
息子が診断された時、覚悟はしていたけれどショックで…。「お母さんやお父さんも心配だろうから、何でも聞いてください」と医師と看護師さんが2回くらい面談してくださいました。家の近くの患者会も紹介してもらって。
私がよく聞いていたのは、出血の兆候です。言葉が喋れないのにどうやって気づくのかと。医師からは「ぼーっとしてたり、吐いたり、外傷があった時に気をつけて」。あとは「関節内出血はわかりにくいから、動かなかったり足を触って痛がる時は気をつけてあげてね」と言われていました。
驚いたけれど受け止めて、
今やれることをやろうと思った。
中学1年生の患者さんの保護者・女性
子どもが1歳の頃、よちよち歩きで滑って上唇小帯を切ってしまいました。その時に大量出血をして止まらなくて、歯医者から救急病院へ。それでも止まらず、小児科に回してもらい、「血友病で間違いない」と。私は、血友病という病気を知らなかったんです。父は血が止まりにくいとは知っていたのですが、診断はされていませんでした。
最初は驚きの気持ちしかなかったです。ただ、一人目の子も他の病気があるので、ある程度受け止められました。とにかく医師から説明を受けて、自分でも血友病についていろいろ調べて、今できることをやろうと思いました。
※紹介した症例は、患者さんおよびその保護者の個人の発言に基づく臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。