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世界におけるPID

アメリカ合衆国

世界各国での一般人口における先天性免疫不全症候群(Primary Immune Deficiency Disease, PID)の真の有病率は十分に明らかにされていません。

2005年、米国のImmune Deficiency Foundationは原発性免疫不全疾患の状態に関して米国の10,000家庭に全国電話調査を実施したところ、一般人口における有病率は推定1,200人中1人であり、すなわち患者数は約250,000人であることが明らかになりました(1)

米国では2002年にPIDの第2回全国患者調査が実施され、PIDと診断された1,500例を超える患者さんのうち、6歳以下は9%、7~12歳13%、13~17歳9%、18~29歳14%、30~44歳21%、45~64歳29%で、65歳以上は5%であることがわかりました(2)

PIDと診断された患者さんを男女別にみると、男性が42%、女性が57%でした(2)。人種や民族によるPIDの遺伝的素因は確認されていません。米国では、患者の地理的分布は50州で均一でした。
PIDにはさまざまなタイプの免疫疾患が多数含まれますが、その中でも最も多い診断名は分類不能型免疫不全症(Common Variable Immunodeficiency)で、PID患者集団の過半数(52%)を占めます。これに次いで、IgGサブクラス欠損症(12%)、IgA欠損症(10%)、X連鎖無γグロブリン血症(XLA)(8%)、重症複合性免疫不全症(2%)、慢性肉芽腫症(2%)、高IgM症候群(2%)、Di Gieorge症候群(1%)、ウイスコット・アルドリッチ症候群(1%)と続きます。PID患者さんの7%は他の診断名を報告し、2%は具体的な診断名を報告されませんでした(2)

また、比較的低年齢でPIDの診断が下されますが、多くの患者が最初の診断以前に永続的な機能障害を報告しています。23%で最初に免疫不全と診断される以前に肺機能の永続的な低下を報告されています。10例中1例は最初の診断以前に聴覚機能(11%)または消化管機能(9%)の永続的な低下を報告しています。これより割合は低いが、最初の診断以前に、可動性(7%)、視力(2%)、神経学的機能(2%)またはその他の機能(6%)の永続的な低下を報告しています。PID患者さんの計37%が診断される以前に、何らかのタイプの永続的な機能障害を報告しています(2)。PID患者さんの過半数(53%)は、他の重篤な慢性疾患に罹患していると報告されています。最も多いのは喘息(17.8%)と副鼻腔炎(8.3%)です。しかし、これより少ないが、かなりの数の患者が慢性肺疾患(3.9%)、関節炎(3.5%)、糖尿病(2.8%)、胃食道逆流性疾患(GERD)(2.2%)、甲状腺機能低下(1.6%)を報告しています。

最も一般的なPIDの治療法はγグロブリン静注療法(IVIG)です。γグロブリンはウイルス、細菌、真菌および寄生虫抗原を殺傷するためにB細胞が産生する免疫グロブリン(抗体)であり、米国では患者10例中7例にIVIGが施行され、きわめて有効な結果が得られています。患者さんによってはIVIGにより健康状態全般が著明に改善され、活動レベルが改善されたほか、QOLが劇的に向上しました。IVIGをおこなった1年間に患者さんの約3/4が健康状態全般について「非常によい」16%、「よい」28%、「まあまあよい」29%と報告しています(2)

References
1. J.M. Boyle and R.H. Buckley. Population Prevalence of Diagnosed Primary Immunodeficiency Diseases in the United States. J Clin Immunol 2007; 27: 497-502.
2. IDF(Immune Deficiency Foundation). Primary Immune Deficiency Diseases in America: 2002-The Second National Survey of Patients. Schulman, Ronca & Bucuvalas, Inc. April 2003.

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