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治療方法

原発性免疫不全症候群(PID)にはどんな治療が必要なの?

病気の原因や重症度によって治療法は異なります

PIDは生まれつき免疫のはたらきに支障のある病気の総称です。
基本的には遺伝性の疾患ですが、同様の症例が家族に現れないという報告も多くみられます(家族の中で1人だけ発症する特発例もあります)。
大きくは8つに分類され、細かくは約300種類のタイプに分けられます。
そのため、疾患のタイプによって原因や必要な治療が異なります。

主な治療法は3種類です。

  • 免疫力を高めるお薬を投与する。
    たとえば、免疫のはたらきに欠かせない抗体を産生できない抗体産生不全の場合は、免疫グロブリン製剤を投与して免疫力を高めます。
  • 感染症の予防や治療のためのお薬を投与する。
    免疫力が低下している人や感染症にすでにかかっている人に抗菌薬を投与します。
  • 免疫系を担う細胞を移植する。
    PIDの症状が重い人は、造血幹細胞移植(骨髄など免疫系の細胞をつくる器官を移植すること)をおこなうこともあります。

症状によっては病院でおこなう静脈注射と自宅でおこなえる皮下注射による治療を選ぶことができます。軽症の場合は、きちんと治療を続けることで健常な人と同じように日常生活を支障なくすごすことができますが、急に症状が悪化する場合もあるので、専門医による継続的な治療と経過観察が重要です。

抗体(免疫グロブリン)ってなあに?

  

抗体とは免疫系のうち、体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体を排除するはたらきをもつたんぱく質です。5種類の抗体が存在し、それぞれの作用する場所や、はたらきが活性化するタイミングが異なります。血液中ではたらく抗体のうち、最も多いのは「免疫グロブリンG(IgG)」です。

免疫グロブリンG(IgG)

抗体には以下の特徴があります。

  • Y字型で、構造の一部を組み換えることによりさまざまな病原体を排除します。
  • 病原体と結合することで、ほかの免疫細胞のはたらきを活性化させます。
  • 病原体がつくる毒素を中和します。
  • ウイルスに感染した細胞を認識して、排除します。

このように、抗体は病原体から体を守るために、とても重要な役割を果たしています。

どんな種類があるの?

PIDは生まれつき免疫のはたらきに支障がある病気の総称です。基本的には遺伝性の疾患ですが、家族に同様の症例が現れないという報告も多く見られます(家族の中で1人だけ発症する特発例もあります)。大きくは8つに分類され、細かくは約300種類のタイプに分けられます。

主なタイプは以下の8つです。

  • 遺伝的な理由で、免疫系に関係する細胞のはたらきが妨げられるタイプ
  • PID以外の疾患によって、免疫系のはたらきが阻害されるタイプ
  • 抗体をつくる細胞や調整をする遺伝子に変異が起こるタイプ
  • 免疫系ではたらく細胞やたんぱく質の量や活性がコントロールできないタイプ
  • 体内の病原体を直接排除する細胞の数やはたらきに異常が生じるタイプ
  • 生まれた時から免疫系に関係する細胞やたんぱく質が十分につくれないタイプ
  • 免疫系が自分の体を病原体と間違えて攻撃するタイプ
  • 他の細胞のはたらきを助ける補体のつくられる量が低下するタイプ

※変異:遺伝子の機能が低下したり、または失われたりすることをいいます。

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