患者さんのココロが前向きになる心理学なんでこんな
気持ちになるの?

患者さんの
心のステージとは?

皆さん、はじめまして。

今回からスタートする
「患者さんのココロが前向きになる心理学 なんでこんな気持ちになるの?」では、
血友病の患者さんが毎日の生活の中で感じるイライラや不安などのイヤな気持ち、
などを解決するヒントをたくさんご紹介していきます。

ここで紹介するお話の中には、ずっと先に経験するものもあるので、
まだピンと来ないこともあるかもしれません。
でも、それらもきっといつかあなたの役に立つと思います。
ぜひ、病院での待ち時間を使って気軽に読んでくださいね。

この第1回のテーマは、血友病の患者さんの『心のステージ』です。

まずはこちらを見てみましょう。

来年は修学旅行があるから、お医者さんから血友病について詳しい説明を受けた小学5年生のA君。
友だちもいる部屋で自己注射したら、変な目でみられないか心配だ。

来年は中学生になるB君。
「中学生になったら友だちとバスケ部に入りたい!
でも、自己注射はめんどくさいからイヤだ!どうにかできないかな?」

今年大学を卒業して就職するCさん。
自分の病気について会社にどう説明したらいいんだろうと悩んでいる。

A君とB君にCさん。3人とも血友病の患者さんです。
年齢や立場も違いますが、3人にはもうひとつの違いがあります。
それは「病気との付き合い方」です。

クラスには、あなたと仲のいいお友達がいると思います。でも、最初からその子と仲良しだったわけではないですよね。教室で何回か話した、休み時間に一緒に遊んだ、家に遊びに行った。こうして、どんどん仲良しのレベルが上がっていき、今のような付き合い方をするようになったと思います。

血友病と付き合っていくのも、実は同じです。

あらためてお医者さんから血友病について詳しい説明を聞いたときに、「この病気とこれからもずっと付き合っていくなんて大丈夫かな…」と不安に思うかもしれません。また、「大変だと思うけど、体の状態をチェックするためにこれからも病院に来てくださいね。」と言われたら、「この間も友だちがサッカーをして楽しそうなときに、ボクだけ病院に行かなきゃいけなかったのに!」とイライラした気持ちになるかもしれません。

このようにイヤな気分になったときは、お父さんやお母さんに自分の気持ちを聞いてもらったり、何か別の作業に集中したりするとよいでしょう。そうすると、イヤな気持ちが少しずつ落ちついていきます。そうしたら、病気とまた付き合って行けるようになるでしょう。

こうしてレベルアップしていくことで、血友病とも付き合えるようになります。

病気と付き合っていくレベルを、

わたしたちは「心のステージ」
呼んでいます。

心のステージは、5つあります。

ステージ1

病気の理解

目 標

治療やこれからの生き方に前向きになるため、
自分の病気をきちんと理解する

小学生くらいに経験することが多いでしょう。

ステージ2

サポーターとの関係構築

目 標

お父さんやお母さん、お医者さんや
看護師さんなど、血友病と付き合っていくのを
手助けしてくれる人たち(サポーター)と
よい関係を作る

小学校高学年から中学生くらいに経験することが多いでしょう。

ステージ3

病気のコントロールと
達成感

目 標

学校の部活動や趣味など、自分のやりたいことに
チャレンジできるように自分にあった病気との
付き合い方を考える

中学生や高校生くらいで多くの患者さんが経験するでしょう。

ステージ4

社会への適応

目 標

血友病を持ちながらも仕事や結婚などをして、
一人の大人として社会で生きていく

大学を卒業してから経験することが多いでしょう。

ステージ5

病気との共生と
自己実現

目 標

血友病を持ちながらも、
自分にとって幸せな生き方を見つける

40歳や50歳それ以上の年齢になってから経験することが多いでしょう。

心のステージ一覧

心のステージ 説明 年代との関連
幼児期 小学生 思春期 青年期 中高年期
病気の理解 自分の病気がどのようなものかを理解し、自分のこととして受け止め、向き合っていくステージ
サポーターとの関係構築 自分の病気の治療をサポートしてくれる親、医療者をはじめとした、周囲の人々との良好な関係を構築するステージ
病気のコントロールと達成感 自分で病気をコントロールしながら、自分の夢や関心事に関して、様々な活動にチャレンジしていくステージ
社会への適応 一人の社会人として、仕事に就いたり、結婚して家庭を築いたりして、積極的に社会参加をしていくステージ
病気との共生と自己実現 病気とのちょうどよい付き合い方をみつけ、人生の中で自分の理想の生き方を実践しようとするステージ

これら5つのステージには、経験しやすい年代や順番はあります。
でも、「①病気の理解」を小学生ではなく中学生で経験する患者さんもいると思います。
また、患者さんによっては2つのステージを同じ時期に経験するかもしれません。ステージの年代や順番はだいたいの目安と思ってくださいね。

ところで、あなたは「心理学」という言葉を聞いたことがありますか?

学校にはカウンセラーの先生がいると思います。カウンセラーの先生に悩みを話すと、すっきりした気分になりますよね。
そんなカウンセラーの先生が使っているのが、心理学の知識です。
心理学とは、その気持ちにどうしてなるのか、どうしてそんな行動をするのかなどを研究する学問です。

次回からは、それぞれの心のステージで悩みやすいことや、その悩みを解決するのに役立つヒントのお話をします。
どのヒントも、たくさんの心理学の知識から考えたものです。だから、きっとあなたの力になると思います。

自分のステージのお話はもちろん、他のステージのお話もぜひ気軽に読んでくださいね。
現在のあなたや未来のあなたにとって役立つものを見つけてもらえたら、とてもうれしく思います。