患者さんの観点から~A美さんのお話~
A美さん
罹病歴40年 教員職
これまで再発により働き方や
職場を度々変えてきた。
「全国CIDPサポートグループ」
発足時メンバー
診断されるまで18年かかった。
治療中も再発を何度か繰り返してきた
13歳のときに発症し、CIDPと診断されるまで18年かかったので大変でした。
この病気と40年付き合っているので、自分の一部と化していて割と淡々と過ごしていますが、再発したときに日常が少し変わってしまうことを何度か繰り返しています。
昨年は、コロナ禍で教員の仕事が遠隔授業の対応などに追われて大変な状況になり、10年ぶりに再発して3度入院しました。
就労に関してはCIDPに翻弄されてきた
診断直後、仕事を新たに始められる状態ではなくて就職内定を辞退しました。非常勤で教員の仕事をしていたときは、声が出なくなる症状があらわれて授業ができなくなったことで退職した経験もあります。
また、非常勤では収入が少なく治療費の負担が大きかったですし、仕事を休むと収入が激減して困窮するようなこともありました。治療費の心配をしていた頃、主治医の先生がケースワーカーにつないでくださりとても助かりました。
主治医に求めること
典型的でない症状であっても否定せずに、ありのままに受け止めていただけたら、少しでも早期診断できたのではないかと感じています。
また、客観的指標のない症状を伝えるとき、「その人にとって」という視点をもって診ていただきたいです。若い頃に「字が書きづらい、うまく書けない」と主治医に伝え、実際に先生の前で字を書いたとき、「とてもうまく見える」と言われて終わってしまったことがありました。
今の一番の課題は、「治療と就労の両立」
現在の仕事は裁量労働制で、かつ所属長という立場もあって、なかなか休めません。昨年の入院中もPCを持参し、メールや電話で指示を出すなど対応せざるを得ませんでした。治療と就労の両立が今の私の一番の課題です。
昨年、ストレスチェックテストの結果でストレスが最高度と判定されました。それで初めて産業医の先生と面談しましたが、
休職したいと思ったときに、どこにそれを申し出
ればよいのか、職場以外での仕事に関しても産業
医の先生が対応してくれるのかがわかりません。
「〇〇がしづらくなった」というのは、
病気悪化のサインかも
A美さんの「字が書きづらくなった」という変化は、CIDPが悪化しているサインだった可能性があります。CIDPの診療において気づくべき変化です。
海田先生
〜B子さんのお話〜
産業医から上司に
説明してもらってみては?
教員職の場合、裁量労働制ですし、会社ほど指揮命令がはっきりしていないので、学内の配慮を求めるのはなかなか難しいですよね。
A美さんの場合、産業医の先生が割と話を聞いてくれるようですので、産業医からA美さんの上司の方に状況を説明してもらうのがよいと思います。
産業医の対応にバラツキがあるのは事実ですし、言うほど簡単ではないと思いますが、最初に試みるとよいこととしてお話しました。
江口先生