仕事・復職に関する
産業医からの
アドバイス
江口 尚先生
産業医は患者さんに
こんなことをアドバイスしています
会社に伝える前に
まずは、主治医に自分が
仕事をしていることを伝える
主治医に遠慮して、仕事のことを
なかなか言い出せない方はいませんか?
まずは主治医に仕事をしていることを
伝えることから始めましょう。
会社への伝え方
「働ける」ことが伝えられるように事前に準備する
多くの患者さんは、体調については説明できても、「仕事」という文脈で症状のことを説明するとなると、最初はスムーズに話せません。
うまく説明できないと会社側は不安になるので、事前に説明の練習をしてから会社の人や産業医との面談に臨みましょう。
できなくなることばかりではなく、
「できること」を伝える
実際に「できなくなること」は
1~2割ではないでしょうか。
大切なのは「できること」を伝えることです。
産業医としても意見書に「できること」を
書くようにします。
会社には「安全配慮義務」という
考え方があることを知っておく
会社側は、聞きなれない病名を聞くとインターネットで検索し、「〇〇ができなくなる」といった情報を多く目にすることになります。また、仕事をさせることで病気が悪化することを懸念して、安全を優先して判断する傾向にあります。
そのため、話し合いが大切です。
誰に、何を、どこまで伝えるか
会社に産業医や保健師がいる場合は、誰に(上司、人事部、同僚など)、何をどこまで伝えるかについて、まずは産業医・保健師に相談するとよいでしょう。
会社の人とは定期的に話し合い、会社側がどのような情報を必要としているか(何に不安を感じているか)を把握するようにしましょう。
江口先生
自分の言葉で会社に対して自分の体調を
説明できるようにしましょう。
特に「できること」を伝えることがポイントです。
休職中にやること
定期的に経過を報告する
経過の報告について、事前に上司や同僚と取り決めておきましょう。
上司に言いにくい場合は産業医や保健師に経過を報告しましょう。
模擬出勤も含めて
生活習慣を整える
体調がある程度落ち着いたら、
まずは模擬出勤してみましょう。
いざ会社に行ってみると、通勤だけで
疲れてしまう人がいますので、
通勤も含めて生活習慣を整えておくことが
大切です。
「生活記録表」をつける
1日をどのように過ごしているかを整理して、その日々の変化が分かるように、「生活記録表」を作ってみましょう。
その記録表を使って会社の人に具体的に状況を説明し、「もう働ける/まだ働けない」ということを伝えることが大切です。
復職の基準を確認する
出勤して定時勤務できることが基本ですが、在宅勤務などを組み合わせた働き方を相談することが大切です。
ポイントは、在宅勤務の場合も安全に働けることを会社側に伝えることです。そうすることで会社側も安心して在宅業務を任せられるでしょう。