ここが知りたい(患者さんからの質問)
維持療法中の
治療タイミングの目安は?
A美さん
今年入院したときに超音波エコーで末梢神経の状態をみたのですが、状態がよくなくて驚きました。罹病期間が長いからかもしれませんが、維持療法中に再燃が分からなくて治療のタイミングを逃していたということでしょうか?
海田先生
後遺症として神経が瘢痕のようになってしまっていると、どんなに治療してもよくなりません。しかし、治療効果を感じて、その後徐々に効果が弱まっていく場合には、もう少し強い維持療法を試みてもよいかもしれません。 たとえば、握力が半年前は15~16だったけれど、最近は12~13に低下してきた時などです。
※握力測定に関するアドバイスはこちら
CIDPと似たような特徴
のある病気は?
B子さん
CIDP患者さんの情報は多くないので、同じようなケースを探すのが困難です。CIDPと同様に疲れやすさや急な体調変化が起こり得るもので、CIDPよりも患者数が多く、仕事をしてる人も多いような病気を知りたいです。
江口先生
たとえば、多発性硬化症が挙げられます。
基本的に指定難病の多くは、疲れやすさや痛みなど、外形的に見えない症状で苦しまれている方がとても多いです。
三澤先生
現役世代の女性が治療を受けるという観点からは、乳がんも参考になる点があります。若年の方が増えており、家事・育児・仕事をしながら、化学療法や放射線療法を受けています。治療の影響でしびれが出ている方を何人も私は拝見しています。彼女たちにも療養と就労の両立の問題があり、「どれだけ背負っているのだろう」と感じることがあります。
復職するまでに上司が変わってしまう場合、
誰に病気のことを話せばよい?
B子さん
休職中に上司とのやりとりはありますが、上司が代わってしまいます。産業医の先生とは話したことがありません。誰に病気のことを伝えておけばよいのでしょうか?
江口先生
上司が代わる度に病気のことを伝えて配慮してもらうというのは大変ですので、会社の健康管理室に伝えて、そこから上司に伝えてもらうのがよいと思います。
配慮は一貫しておくべきなので、上司が代わることで配慮が変わることがないように、健康管理室を巻き込んでおくことが大切です。
また、自分で「配慮してくれ」というのは日本人が苦手なところです。代わりに産業医から言ってもらえば心理的負担が減ると思います。