CIDPとは?(病気についてもっと知る)
監修 : 埼玉医科大学総合医療センター脳神経内科 教授 海田 賢一 先生
症状は?
CIDPでは、主として次のような症状が起きます。
運動神経の障害に伴う症状- 手足に力が入らない、疲れやすい
- 手足が思うように動かない(歩きにくい、転びやすい、腕が上がらない、物をつかみにくい、など)
- 手足がしびれる、ちくちくした痛みを感じる(”しびれ”には、びりびり、ピリピリ、正座した後のようなじーんとしたしびれ、などいろいろあります)
- 手足で熱さや冷たさを感じない(感覚の鈍麻)
典型的なCIDPでは、これらの症状が左右対称かつ広範囲に出現します。また、運動障害と感覚障害の両方がみられることが一般的です。
これらの症状がゆっくりと進行したり、いったん治まった症状が再発したりします。しかし、左右非対称に症状がみられるものや障害の範囲が限定的なもの、運動障害と感覚障害のどちらか一方のみがみられるものなど、非典型的なCIDPもあります。
炎症なのに痛くないのはなぜ?
「神経炎」という名称からもわかるようにCIDPは炎症性の疾患です。
しかし、胃腸炎や関節炎といった通常の炎症性疾患とは異なり、CIDPでは強い痛みを伴うことはほとんどありません。
これは、髄鞘が破壊されることによって神経伝導が障害され、痛みの刺激も伝わりにくくなるためです(≫髄鞘の役割と脱髄)。
痛みを感じなくても炎症は確かに起こっており、神経が傷つけられています。
どうやって診断するの?
JPN-HCI-0389